タイムカードを電子化することで、業務の簡略化が図れます。勤怠管理が楽になれば、月々の給与計算もほぼ自動化ができますので、総務部の人員削減にも役立ちます。インターネットでタイムカードを提供しているフリーソフトは多くあり、なかでも「キングオブタイム」が使いやすさで有名です。セキュリティ面でもタイムカードを選ぶ場合には気を付ける必要があります。
万が一データの改ざんなどがあれば、最悪の場合訴訟にまで発展するおそれもあります。過去には、勤怠管理怠慢訴訟といった有名な判例があります。この判例は、事業主がタイムカードの管理を怠って労働時間の統計を紛失しました。その後、タイムカードをねつ造して、社員の給料を支払っていました。
この件で訴訟を起こした当時の社員は、働いたであろう労働時間と残業代分の給料を取戻し、加えて精神的苦痛を受けたことによる慰謝料も受け取りました。こういったことは、企業側の損失であることはいうまでもありませんし、社員の精神的・経済的負担にもなります。勤怠管理で難しいのは、打刻漏れがあった場合の対応です。出勤していたことは紛れのない事実であっても、それを証明できる証拠がないことが最大の焦点になります。
一人で支店を運営している事業の場合は、企業が気を付ける必要があります。ただ、そういったポジションにつけるのはある程度の信頼がなければいけませんし、経営者も信頼していないものに勤怠の管理を任すことはないでしょう。